官公庁・特殊法人

将来にわたり質の高い行政サービスを提供していくための人材育成ツール

総務部人事課の(写真右から)課長 齋藤様、人材育成班長 土屋様、同班 玉田様に、「人財CuBe(人事評価システム)」の導入の経緯と、その効果について伺いました。


「千葉の未来」を創造する取り組み


― 千葉県について教えてください。

千葉は、首都圏でありながら美しい海岸線や豊かな自然に囲まれ、魅力的な観光地や多様な文化を有しているほか、美味しい農産物や成田空港、東京湾アクアラインなど様々な宝に恵まれています。また、令和5年に、千葉県生誕150周年の節目を迎えました。
千葉県では、今後の社会環境の変化等に対応し、県民の命とくらしを守るとともに、恵まれた自然環境や優れた都市機能を持つ千葉で、全ての県民が生きる価値、働く価値を感じられる「千葉の未来」を創造することに取り組んでいます。

目指すべき職員像と人材育成

総務部人事課 課長 齋藤 浩司 様

― 人事制度について教えてください。

新型コロナウイルス感染症を契機とした新たな日常への対応をはじめ、人口減少・少子高齢化の進行、デジタル技術の急速な進展など、県を取り巻く社会経済情勢は大きく変化していて、地域が抱える課題や県民の方々のニーズは複雑・多様化しています。こうした中で、時代の変化に対応し、将来にわたり質の高い行政サービスを提供していくためには、人材育成が非常に重要であると考えています。

千葉県では、「人財育成基本方針」を策定し、県民志向(高い使命感・倫理観を持ち、県民のために行動できる職員)、組織力向上(組織の一員として役割を理解し、協力し合える職員)、仕事力向上(的確な判断のもと、努力を惜しまず実行力を持って行動できる職員)の3つを目指すべき職員像として、人材育成に取り組んでいます。

― 人事評価制度について教えてください。

私たち地方公務員については、地方公務員法という法律で、人事評価を実施することが義務づけられています。この法律では、職務を遂行するにあたり発揮した能力と挙げた業績を把握した上で行うこととされていますので、千葉県でも「能力評価」と「業績評価」を組み合わせた人事評価を行っています。特に能力評価に関しては、先ほど申し上げた、目指すべき職員像を実現するためには、どのような能力を備えている必要があるかという点から、職責ごとに評価項目を定め、その能力が発揮できているかを評価しています。

千葉県では、平成18年から目標チャレンジプログラムという独自の制度を実施しており、平成20年には、ビジネスネットコーポレーション(以下、BNC)の「人財CuBe(人事評価システム)」を導入しました。その後、平成28年から、法律に基づいた、新たな人事評価制度へと移行したのですが、その際には、制度の見直しの検討と合わせて、BNCと意見交換を重ねながら改修を行い、現行のシステムに移行しました。

独自の人事評価制度をシステム化

総務部人事課 人材育成班長 土屋 道友 様

― 人事評価をシステム化することになった経緯を教えてください。

目標チャレンジプログラムを導入した平成18年の時点で、今後増え続けるであろう「紙の評価シート」をどのように保存するべきか、が大きな悩みでした。
また、評価結果を給与等に反映させたり、評価の傾向を分析するための、とりまとめ作業に大変な負担を感じていて、制度の円滑な運用のためにもシステム化が必要であると考えました。当初は、先行して導入されていた人事関係の他のシステムを改修することも考えましたが、最終的に独立したシステム開発の道を選択することになりました。

― ビジネスネットコーポレーションを選んだ決め手を教えてください。

当時、人事評価システムを導入している地方自治体はほとんどなく、システム開発は本当に手探りでした。一方で、目標チャレンジプログラムという評価の仕組みは完成していたため、コンサルタントに発注して評価制度そのものをゼロから開発するということではなく、完成している評価の仕組み(目標チャレンジプログラム)をシステム的に再現することを「一緒に」進めてもらえそうな「誠実さ」を感じる事業者をパートナーにしたいと考えていました。

BNCの提案は、自社製品を押しつけるのではなく、カスタマイズによるシステム開発の自由度を広く持たせてくれそうだと感じ、また、千葉県独自の評価の仕組みをBNCの柔軟な開発手法により実現してくれそうだと思いました。

― システム構築時の対応はどうでしたか。

とにかく夜遅くまで真剣勝負に付き合ってもらえました。当時の担当者は感謝していました。システムの肝と考えていた「評価ルートの設定」をいかにしてシステム的に再現するのか、何回も何回もシミュレーションし、こちらの提案に対して誠実に対応していただきました。
その後、平成28年の人事評価制度の見直しの際は、法律で期限が定められる中で、制度の見直しと並行しながらシステムの改修作業も行わなくてはなりませんでした。手戻りが生じたり、いろいろとトラブルがありましたが、こちらの無理な要望にも、厳しいスケジュールの中、誠実に御対応いただいて、何とか間に合わせることができました。

― システム導入後の効果を教えてください。

繰り返しになってしまいますが、システム化の一番の恩恵は、評価結果のとりまとめが容易になったことにより、人事担当者の負担が軽減されたことです。

地方公務員法では、人事評価を給与だけでなく、任用や能力開発など、人事管理の基礎として広く活用するように定められていますので、システム化により評価結果を任意の形でアウトプットできることは大きなメリットです。また、システム化からだいぶ時間がたっているので、職員が目に見えてメリットを感じることはもうないと思いますが、紙やEXCELと比較して、部下職員のマネジメントや適正な評価にもつながっていると感じています。

例えば、評価者であれば、部下職員の評価の進捗状況がすぐに把握できますし、評価結果が途中経過も含めて一覧になるので、画面上で比較して見ることができます。また、職員が業績評価の目標設定をする際に、組織として目指す方向を共有できるように、部長や自分の上司、同僚の目標を見ることができるようにしています。こういったことは、適正な評価を行う上でも、重要なことだと考えています。

”単なる評価制度”ではなく、”人材育成”のためツールに

総務部人事課 人材育成班 副主査 玉田 裕之 様

― 今後の取り組みについて教えてください。

千葉県では、人事評価制度を能力開発の基礎的なツールとして活用しており、特に評価者と職員の対話を重視しています。対話においては、日々の業務のなかでうまくできたところやできなかったところを評価者と職員が共有した上で、その職員の強みや弱みについて共通認識を持って、今後の能力開発の方向性なども話し合うようにしたいのですが、なかなかそのレベルには達していません。システムには、能力開発用のシートも作っていて、その年度に受講した研修実績などを表示しているのですが、あまり活用されていないのが現状です。

千葉県の人事評価制度は、単なる評価制度ではなくて、人材育成のためのツールなのだという意識を、研修などを通じて、より一層浸透させていきたいと考えています。そのためには、民間企業等も含めた最新の人材育成・人事評価制度を知ることも大事ですし、必要があれば、制度やシステムを見直していきたいと考えていますので、BNCからも様々な御提案をいただきながら、適正な人事評価制度の実施に取り組んでいきたいと思います。

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