卸売業

異動申請に欠かせないシステムとしてフル稼働しています

双日株式会社 人事部 副部長 兼 健康推進室長 衛藤 紀江様、人事部 人事課 課長 三木 徹様、同部同課 津田 英理香様に、ジョブローテーション制度の概要や取り組み、そして「Ido_Naviシステム(人事異動決裁申請システム)」についてについて伺いました。

【双日株式会社について】
2003年にニチメン株式会社と日商岩井株式会社が経営統合し、双日として発足。国内外約400社の連結対象会社とともに、世界の様々な国と地域に事業を展開する総合商社として、幅広いビジネスを展開。7つの営業本部体制で、国内外での多様な製品の製造・販売や輸出入、サービスの提供、各種事業投資などをグローバルに多角的に行っている。同社は「事業や人材を創造し続ける総合商社」を実現すべく、未来へと価値創造の連鎖を紡いでいく。


ジョブローテーション制度による異動を推進

人事部 副部長 兼 健康推進室長 衛藤 紀江様

― 組織形態を教えてください。

当社の組織形態は、大きく分けて、営業本部と管理部門の2つで構成されています。営業本部は、自動車本部、航空産業・交通プロジェクト本部、インフラ・ヘルスケア本部、金属・資源・リサイクル本部、化学本部、生活産業・アグリビジネス本部、リテール・コンシューマーサービス本部の7 つがあります。管理部門は、我々人事部を含む19の部があります。国内拠点は東京本社を含めて5つあり、海外は約80の現地法人もしくは支店・駐在員事務所があります。

― ジョブローテーション制度とは、どういった制度なのでしょうか。

ジョブローテーション制度には、3つの目的があります。1つ目は「人材育成」です。双日パーソンとしての資質を磨くために必要な機会を適切なタイミングで提供し、経験させることを重要視。複数の異なるキャリアを経験することで、多様な専門知識やスキルを併せ持つとともに、普遍性の高い思考特性、行動特性の習得を目指しています。2つ目は「組織力向上」です。後任者の計画的育成を通じて、特定人材への依存リスクを排除。構成人員レベルの底上げにより、組織力の向上、組織の活性化と特続的成長を目指しています。3つ目は「社員活性化」です。部レベルでの年限管理(5年上限)運用を実施し、同一職務における長期滞留を解消することで、人材の流動化を高め育成を図り、社員の士気向上、自己実現による活性化を促します。

異動の種類、申請書類が多く、紙では運用が煩雑に

― システム導入前の異動に関するフローを教えてください。

社内イントラネットにアップされている申請書類を異動内容に応じてピックアップし、異動の情報を入力して印刷および押印。そして、他の必要書類と合わせてクリップでまとめ、異動に関わる決裁基準のルートに従って回付するスタイルでした。基本的に紙をベースに申請から管理まで行っていました。

― システム導入に至った経緯を教えてください。

人事異動の件数は年間約2,300件にのぼります。さらに、1件の異動申請につき申請書類の他に数種類の資料を添付しなければならず、異動内容によって申請書類も添付資料も異なります。そのため、申請が煩雑になりがちで、フローのなかで書類の紛失が発生してもおかしくない状況でした。また、紙での回付のため、今現在、申請書類がどこにあるか分からないことも多々ありました。差し戻しや書類不足などにより、申請が完了するまで時間がかかるのは日常茶飯事だったと思います。紙を回付する為だけに社内を走り回っていた人がおり、異動に関わるすべてのオペレーションに時間がかかっていました。紙を電子化するだけではなく業務全体を効率化するために、2011年にビジネスネットコーポレーション(以下、BNC)の「人財CuBe(人事異動決裁システム)」を導入しました。

当社の異動決裁に半オーダーメイド開発で対応

人事部 人事課 課長 三木 徹様

― システム化を行うあたり、製品の比較・検討はされたのでしょうか。
  また、BNC を選定された理由をお聞かせください。

BNCを含め、3社の製品で比較・検討を行いました。我々がやりたいことお伝えし、それに対して各社からさまざまな提案をいただきましたが、なかなかパッケージ製品では解決できないところが多いことが分かりました。当社独自の個別決裁基準表が、様々なケースに対応する必要がある為、かなり複雑になっており、それをシステムで実現するのは難しいと他の業者には言われておりました。やはり、決裁の複雑さが各社を悩ませていたようです。そうしたなか、当社の要望にカスタムメイド開発で対応してくれる唯一の製品だったことからBNCを選定しました。企業ごとに異なる文化が色濃く反映されている人事・総務のルールや業務は、既存システムで一括りにできないことをBNCはもっとも理解しており、今回の人事異動決裁のシステム化にも期待することができました。

異動決裁をナビゲーションで行えるシステムを構築

― システムを構築する際に要望はありましたか。

複雑な申請ルートに対応すること、そして必要な書類を過不足なく添付して回付できることが最優先事項でした。そこで、BNCとつくり上げたのは、申請を異動関連で4種類、出向関連で4 種類、計8 種類に分類し、ナビゲーションに従って「誰が」「どこに行くのか」などを設定していくだけで簡単に申請できるシステムです。ここで重要なのは、書類不足による差し戻しがないようにすること。ナビゲーションのなかで必要な書類を明示し、その書類が揃っていないと先に進めないようにしました。
また、海外異動などの場合は特に関係者が多く、すべての承認者に順番に承認をとると時間がかかってしまい、パスポート・ビザの手配、異動決裁後に必要な対応、書類などの後続の業務に影響が出てしまう課題がありました。

上記課題を解決する方法として、承認の「並行処理」の概念を実装し、承認全体のスピードアップを図りました。同時並行で承認をもらってもよい関係部署は、並行で処理できるようにカスタマイズをして決裁の期間そのものの短縮を図りました。さらに、2011年の運用開始以降もバージョンアップや改修で機能を強化しました。今では異動申請に欠かせないシステムとしてフル稼働しています。

回付のスピードアップやペーパーレス化に貢献

人事部 人事課 津田 英理香様

― Ido_Navi導入後、どのような場面で効果を感じますか。

<回付の速度アップと可視化を実現>
当然、回付が速くなりました。ナビ機能で申請が簡単になったことにより、添付資料の漏れ、申請内容に対して申請書そのものが違う、承認者が違うなどの迷いや差戻しが減り、業務全体の効率化、スピードアップにつながりました。また、次の決裁者のところに書類を持ち歩く時間も削減することができました。現在の回付状況が可視化されているため、いつでも進捗を追うことができ、まさに求めていたシステム化を実現することができました。

<ペーパーレス化で申請書類のスペースを削減>
異動申請の書類を綴じているファイルは、一定期間、保存しておかなければなりません。古いものは倉庫に預けていますが、過去2年分ほどの異動申請の書類はファイルに綴じて手元に置いていました。(その量はキャビネット2段分ほど)今では書類を保管する必要もなくなり、限りあるオフィスのスペースを有効活用することができています。またペーパーレス化することで書類の紛失も改善されました。

<書類の検索の手間を大幅に軽減>
異動背景を確認するため、申請書類を探し出さなければならないことがあります。導入前は紙だったため、異動申請の書類を綴じている膨大な数のファイルのなかから該当する申請書類を探し出すのは大変な労力をともないました。導入後は、画面から検索するだけ。自席にいながら、わずかな時間で目的の申請書類を探し出すことができます。

― 煩雑な異動決裁業務に悩む企業に向けてメッセージをお願いします。

今では当社にあるのが当たり前のシステムを10年も前に作ってくれたことがすごいと考えています。稟議のワークフローに乗せて異動決裁をシステム化するという選択肢もありますが、当社は異動決裁を利用するのは人事部と決裁者に限られていることから、稟議のワークフローとはまったく別物と捉え、“異動決裁専用”のワークフローを導入しました。生産性向上や戦略的人事を推進するのであれば、やはり異動決裁に特化したワークフローを導入すべきだと考えます。

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