卸売業

研修Navi は研修を管理するツールとしてはもちろん会社と社員をつなぐプラットフォームとしてこれからも期待しています

双日株式会社 人事部 グローバル・人材育成課の専門部長 田中様、浅野様、双日シェアードサービス株式会社 人事サービス部 人材育成課 深瀬様に、「研修Navi(研修管理システム)」の導入経緯と、その効果について伺いました。

【双日株式会社について】
2003年にニチメン株式会社と日商岩井株式会社が経営統合し、双日として発足。国内外約400社の連結対象会社とともに、世界の様々な国と地域に事業を展開する総合商社として、幅広いビジネスを展開。7つの営業本部体制で、国内外での多様な製品の製造・販売や輸出入、サービスの提供、各種事業投資などをグローバルに多角的に行っている。同社は「事業や人材を創造し続ける総合商社」を実現すべく、未来へと価値創造の連鎖を紡いでいく。


両社を融合させるための研修制度を確立

人事部 グローバル・人材育成課 専門部長 田中 康愛 様

― 貴社の研修制度について教えてください。

当社では、⾃ら考え、⾏動し、やり抜くことで、世界を舞台に「価値を創造することのできる⼈材=稼ぐ⼈材」をグローバル・マネジメント⼈材と定義しています。その上で、「事業経営できる力」「発想・起業できる力」「巻込み・やりきる力」という“人材戦略の3つの柱”を軸に各種人事施策を実施しています。

研修制度は、その人事施策の一つという位置付けになっています。社員の成長をサポートするためにさまざまな研修を実施しておりますが、その中心となっているのが「必修研修」になります。必修研修には、「必修試験」「プロフェッショナル研修A」「プロフェッショナル研修B」の3つがあります。

必修試験は、新人社員がかならず身に付けなければならない必須スキルで、貿易実務、法務・安全保障貿易管理・コンプライアンス、アカウンティング、TOEIC IP 試験(L/R・S/W)、簿記、そして2021年度からはITパスポートが加わり、計6つの必修科目で構成されています。プロフェッショナル研修Aは、ガバナンスルールやリーダーシップ研修、ボードゲームを用いて行う経営を模したシミュレーションなど、リーダーを目指すための基礎研修となります。プロフェッショナル研修Bは、プロフェッショナル研修A の上位に位置し、応用的な研修を通じて、より高度なリーダーシップを学ぶことができます。

― 必修研修はいつ頃に体系化されたのでしょうか。

双日は2003年にニチメンと日商岩井が経営統合をしてできた会社で、経営統合直後から2007年までは、両社の人事制度ルールの精査・統合で奔走していました。現在の必修研修の体系が確立したのは2008年です。それ以降、マイナーチェンジや研修の追加・改定などを加えながら必修研修をブラッシュアップしました。そして、2018年に研修のスタイルそのものを大きくモデルチェンジしました。

オンライン化やBPO で時代に即した研修スタイルに

― どのように研修のスタイルをモデルチェンジされたのでしょうか。

研修の対面講義は、どうしても時間を拘束してしまいます。それが忙しい現場の負担になっている状況を改善する必要がありました。必修研修は昇格の大事な要件のひとつであり、役職・役割等級と現場で求められるスキルに関わる大事な研修ですが、それが現場の業務の足枷になっては本末転倒です。そこで、空いた時間に必要な勉強を自由にできる環境にするため、研修ベンダーの支援を得ながら講義をオンライン(動画)化しました。それ以外は各自がOJTや本などを利用し、独自で学ぶことを推奨するようにしました。

さらに、2021年にはBPOにより、社内で行っていた試験を外部のテストセンターに委託しました。それまでは試験の期間が限定されていましたが、外部のテストセンターを利用することで試験日の選択肢を広げました。また、このモデルチェンジはコロナ禍で大いに役立ちました。以前のような対面の講義が中心であれば、必修研修自体を一時中断せざるを得ませんでしたが、オンライン化やBPOによって必修研修を継続することができました。

必修研修の体系が確立したことで管理が複雑化

― 必修研修を運営するなかで研修Naviが必要になった背景をお聞かせください。

研修Navi導入以前から必修研修にはシステムを利用していました。といっても、研修Naviほどの機能はなく、受講者が研修の申し込みを行ってそれをリスト化できる程度でした。研修と受講者のデータ管理が主体でした。もっとも当時は必修研修の数が少なく、受講する社員も総合職と呼ばれている職種のみ
だったため、それほど高度なシステムは必要ありませんでした。

ところが前述したように、2008年に必修研修は大きく変わりました。これにより、研修内容や申し込み方などが分からない受講者からの問い合わせが増加しました。我々も申し込みや確認に対応するため、それぞれの研修に担当者を置いていましたが、返信メールの作業だけでも大きな負担という状況でした。何とか人手を使って対応していましたが、やはりリソースが足りないということで研修Navi の導入に至りました。

研修Navi に求めたのはマネジメントできるシステム

双日シェアードサービス株式会社 人事サービス部 人材育成課 深瀬 由紀 様

― システムの比較・検討はされましたか。またその際、システムに求めた要件をお聞かせください。

システムの比較・検討はしましたが、オーダーメイドできないパッケージは断念しました。当社の要望に合わせてシステムを構築してくれること、そして、導入済みの目標管理・人事評価システムのチャレナビ、人事異動決裁申請システムのIdo_Naviとのシステムとの連携を考慮してビジネスネットコーポレーション(以下、BNC)にお願いしました。

2012年に研修Naviの初期構築が始まり、2013年には運用がスタートしています。なお、研修Naviには研修のマネジメントができるシステムとして以下の要件を求め、実装していただきました。

<受講側:研修ロードマップとユーザビリティ>
受講者個々の画面に研修ロードマップが表示され、自分が次の等級に必要な研修や資格、全社のルールとして受講すべき研修などが一目で分かるシステムを求めました。また、研修ロードマップから申し込みが行えるなど、徹底したユーザビリティを重視しました。

<上司側:研修状況の履習管理>
受講者である部下の研修状況を把握できる進捗管理を求めました。これにより、我々に問い合わせることなく、例えば、海外赴任の要件となるTOEIC IP試験に合格しているかどうかを確認できます。また、部下の研修状況を把握していれば、その時間を避けた業務のマネジメントが可能となります。研修の機会損失を防ぎ、部下の育成をサポートできるシステムを目指しました。

<システム管理者側:自動化・可視化による業務の効率化>
リソースを最適化するため、何よりも効率化を求めました。例えば、受講の申し込みメールに対する受講確定のメールは研修Naviから自動化配信。また、プロセスや提出物は研修によって異なりますが、事前・事後の課題提出まで可視化やマネジメントできるシステムをお願いしました。

研修で人材を育成する組織風土を構築

人事部 グローバル・人材育成課 人材育成チーム 浅野 理都子 様

― 研修Navi の導入効果はいかがでしょうか。

研修Naviを10年ほど利用してきたことで、研修を受ける(受けさせる)組織風土が構築されつつあると感じます。今までは上司が部下に研修を受けさせるといった意識や風土がなかったのですが、現在はシステム導入効果もあり上司の意識や風土が変わりました。

何よりも、10年前に研修Naviを使って研修を受講していた社員が今では多くが上司側になっていますから、研修への理解度が違います。例えば、上司と部下のフィードバック面談などの際には、研修で取得した資格の有無を確認しながら、今後必要なスキルの促進を図ることできます。研修Naviの導入以前は上司が研修状況を把握できていませんから、こうしたフィードバックは不可能でした。研修による部下の育成業務がシステムにより定着し、文化が根付いたと実感しております。

研修Naviのシステム管理者という観点から見ると、研修のカテゴリーごとに担当を置く必要がなくなり、トータル1 ~ 2名で対応することが可能になりました。こうした効率化により、研修ベンダーが提供するコンテンツや必修研修以外の階層別研修・選抜研修など、さまざまな研修プログラムの企画にリソースを集約、リソ―スを最適化することができました。

― BNC に対する期待をお聞かせください。

研修はそれ自体が目的ではありません。あくまでも社員の成長に結びつくことが大前提です。ですから、研修Naviには単に研修を管理するツールではなく、会社と社員をつなぐプラットフォームの役割を求めています。今後も時代に即した形で研修の中身やスタイルは変わっていくと思いますが、プラットフォームとしての研修Naviの役割は変わらないでしょう。そういう意味では、いつも我々の要望に応え、研修Naviに反映していただいているBNCさんには感謝の言葉しかありません。

システムのトレンドについては我々も知らないことが多いので、ぜひ他社様の事例や取り組みを交えながらアドバイスしていただけますと幸いです。今後とも、引き続きよろしくお願いいたします。

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